【あの株を買っていたら・・・】ENEOS VS 出光興産 VS INPEX

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こんにちは、ヒデです。

今回の【あの株を買っていたら・・・】は、石油・天然ガスの探鉱や開発を行うINPEX(1605)です。

INPEXは高配当かつ株主優待もある銘柄で、様々なYouTubeやブログで紹介されています。

私はエネルギーセクターの銘柄はENEOS(5020)と出光興産(5019)を買っていましたが、「INPEXを買っていたらどうなっていたのか」と思い比較しました。

エネルギーセクターの銘柄を選ぶ参考になれば幸いです。

この記事では個別企業名を記載しますが、特定の銘柄を推奨したり、将来の投資成果を保証するものではありません。

銘柄や投資時期などの決定については、ご自身で判断をお願いいたします。

ENEOS vs 出光興産 vs INPEX

ENEOS株式会社(5020)

=事業概要=

ENEOSは石油製品の精製および販売等を行っている会社で、日本の石油元売としては最大手であり世界では6位の規模になります。

主な製品は、燃料油(ガソリンや軽油など)やアスファルト、液化石油ガス、潤滑油といった石油製品や、ベンゼンやトルエンなどの石油化学製品があります。

=業種:石油・石炭製品

=時価:1兆4436億円(2023年5月18日)

=会社ホームページ:https://www.eneos.co.jp/

石油元売最大手であることと4%を超える高配当に魅力を感じて2019年から購入をしています。

出光興産(5019)

=事業概要=

出光興産は燃料油、潤滑油、アスファルト、石油・ガス開発、再生可能エネルギー、石炭、石油化学、電子材料などの事業をグローバルに展開しており、日本の石油元売として第2位の規模になります。

主な事業セグメントとして、燃料油・基礎化学品・高機能材・電力再生エネルギー・資源があります。

=業種:石油・石炭製品

=時価:8218億円(2023年5月18日)

=会社ホームページ:https://www.idemitsu.com/jp/

2020年に6%以上の高配当と国内の石油元売第2位という理由で単元未満株を購入しました。

INPEX(1605)

=事業概要=

INPEXは国内外で石油・天然ガス等の権益を持つ大手石油開発企業です。エネルギーの安定確保の面から、買収関連の株主総会決議事項について拒否権を行使できる「黄金株」を発行しながらも唯一東証への上場が認められています。経済産業大臣が筆頭株主になっています。

=業種:鉱業

=時価総額:2兆800億円(2023年5月19日)

=会社ホームページ:https://www.inpex.co.jp/

私はINPEX株を保有していませんが、2020年以降4%以上の高配当であること、配当性向40%以上を目処とする配当方針を公表していることから気になっている銘柄です。

投資結果

投資結果の比較は、3社の株を2017年の始値で100万円の予算で購入し、2022年の終値ですべて売却した前提で計算をします。

売買に関する費用や税金は、計算を単純にするため無視します。

業績や配当などの情報は、「IR BANK」の情報を引用します。

2017年の始値では、ENEOSは2008株(99万9984円)、出光興産は322株(99万9810円)、INPEXは845株(99万9635円)購入できることになります。

では、検証スタートです。

株価の推移

2017年始値〜2022年終値の株価を比較すると

ENEOSは、498円〜448円で上昇率は▲10.0%のマイナスでした。

出光興産は、3105円〜3070円で上昇率は▲1.1%のマイナスでした。

INPEXは、1183円〜1396円で上昇率は+18.1%でした。

配当金額と配当利回りの推移

ENEOSの配当金は16円から22円に増え、増配率は1.375倍になりました。配当利回りは、2.93%から4.8%に増え1.64倍になりました。

出光興産の配当金は50円から170円に増え、増配率は3.4倍になりました。しかし2022年の170円のうち50円は創立110周年記念配当です。2023年は120円に戻る見込みになっているので注意が必要です。

配当利回りは、1.29%から4.14%に増え3.2倍になりました。

INPEXの配当金は、18円から62円に増え、増配率は3.44倍になりました。配当利回りは、1.64%から4.44%となり2.7倍になりました。

検証期間においては、INPEXのみ株価と配当利回りが上昇する結果となりました。

6年間の投資利益を比較

売買損益(キャピタルゲイン)の比較

ENEOSの売買損益は、ー100,400円でマイナスでした。

出光興産も同様に売買損益は、ー11,270円でマイナスでした。

唯一プラスになったのがINPEXで売買損益は、+349,408円でした。

受取配当金(インカムゲイン)の比較

ENEOSの受取配当金は、244,976円でした。

出光興産の受取配当金は、218,960円になりました。

INPEXの受取配当金は、169,000円でした。

結論(投資損益=売買損益+受取配当金)

・ENEOS:144,576円の利益

・出光興産:207,690円の利益

INPEX:349,408の利益

2017年初から2022年末までINPEXに100万円投資していたら、ENEOSより204,832円、出光興産より141,718円利益が多く得られる結果になりました。

INPEXの株主還元方針について

INPEXは、2022年度から2024年度の中期経営計画期間中は、総還元性向40%以上を目途とし、1株当たりの年間配当金の下限を30円に設定するなど株主還元の強化に取り組む基本方針を公表しています。

INPEXの株主優待制度について

普通株式400株以上を1年以上継続して保有する株主は、保有年数と保有株式数に応じてQUOカードがもらえます。

株価や配当金の値上がりを予想するための指標

会社業績

ENEOS
年度売上営業利益営業利益率純利益ROEROA自己資本比率
2017年3月7.03兆円2711億円3.86%1500億円8.79%2.21%25.1%
2018年3月10.3兆円4875億円4.73%3619億円14.25%4.28%30.0%
2019年3月11.1兆円5371億円7.20%3223億円11.86%3.80%32.1%
2020年3月10兆円−1131億円-1.13%−1879億円28.8%
2021年3月7.66兆円2542億円3.32%1140億円4.9%1.41%28.9%
2022年3月10.9兆円7859億円7.20%5371億円18.78%5.57%29.7%
IR BANKより作成

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により販売額が減少して営業利益がマイナスになっています。

2021年は新型コロナ感染症の影響があったものの資源価格の高騰や石油・天然ガス開発・金属事業の増益等によって営業利益が改善しました。

営業利益が減益となった2020年〜2021年においても配当金は維持されています。

出光興産
年度売上営業利益営業利益率純利益ROEROA自己資本比率
2017年3月3.19兆円1352億円4.24%882億円15.1%3.34%22.1%
2018年3月3.73兆円2013億円5.40%1623億円18.68%5.56%29.7%
2019年3月4.43兆円1793億円4.05%815億円9.67%2.82%29.1%
2020年3月6.05兆円−38.6億円-0.06%−229億円29.6%
2021年3月4.56兆円1401億円3.07%349億円3.03%0.88%29.1%
2022年3月6.69兆円4345億円6.50%2795億円19.79%6.07%30.7%
IR BANKより作成

2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う原油価格の急落や需要の減少により営業利益がマイナスになっています。

2021年は原油価格の高騰や資源セグメントが寄与して増益になりました。

出光興産は1株当たり120円の安定配当を基本にしていますが、2020年は160円、2022年は170円に増配されています。

INPEX
年度売上営業利益営業利益率純利益ROEROA自己資本比率
2017年3月0.87兆0.34兆38.48462億1.57%1.07%68.3%
2018年3月0.93兆0.36兆38.27404億1.38%0.95%68.6%
2019年3月0.97兆0.47兆48.83961億3.2%2%62.7%
2019年12月1兆0.5兆49.861236億4.06%2.55%62.7%
2020年12月0.77兆0.25兆32.23-1117億59%
2021年12月1.24兆0.59兆47.472230億7.14%4.32%60.6%
2022年12月2.32兆1.25兆53.624611億12.26%7.37%60.1%
IR BANKより作成

2020年度は販売量の減少販売単価の下落により売上が前年比34.2%減、純損益はー1117億円になりました。

2021年度は販売単価の上昇、販売量の増加、為替の影響により売上が61%増、純損益は3347億円増になりました。

2022年度は販売単価増、円安、販売量増等の影響により前期比+87%の売上増、純損益は2381億円増となりました。

配当・市場評価

ENEOS
年度配当金配当利回り配当性向PERPBR
2017年16円2.93%26.5%9.07倍0.80倍
2018年19円2.95%17.9%6.08倍0.87倍
2019年21円4.14%22.0%5.32倍0.62倍
2020年22円5.95%130.6%赤字0.52倍
2021年22円4.38%62.0%14.15倍0.69倍
2022年22円4.80%13.2%2.74倍0.51倍
IR BANKより作成

ENEOSは2020年に純利益がマイナスになりましたが配当金は維持しています。

株主還元の方針において、安定的な配当の継続や現状を下回らない配当水準などの記載があります。

老後の配当収入のためには、安定した配当金はありがたいと思います。

出光興産
年度配当金配当利回り配当性向PERPBR
2017年501.29%9.1%7.02倍1.06倍
2018年802.70%10.2%4.79倍0.97倍
2019年1006.46%24.6%9.22倍0.87倍
2020年1604.20%-%赤字0.64倍
2021年1205.04%102.2%24.3倍0.74倍
2022年1704.14%18.1%3.59倍0.71倍

出光興産も配当利回りは4%〜6%もある高配当株ですが、配当方針の書き具合は少し弱めに感じます。

財務体質や業績のバランスを勘案しながら安定的な配当を実施するとの記載があります。

高配当株ですが年度によって金額の変動が大きいように感じました。

INPEX
年度配当金配当利回り配当性向PERPBR
2017年18円1.64%56.9%34.64倍0.54倍
2018年18円1.37%65.1%47.61倍0.66倍
2019年24円2.27%35.5%13.44倍0.55倍
2020年24円4.32%-%赤字0.30倍
2021年48円4.79%31.2%6.51倍0.44倍
2022年62円4.44%19.3%4.14倍0.48倍
IR BANKより作成

INPEXは比較した6年間においては、配当金額が据え置かれた期間はありますが3.44倍の増配になっています。

配当性向の目途や配当金の下限値など株主還元の方針が明確に公表されています。

配当性向も19.3%(2022年)であることも今後の増配に期待が持てます。

まとめ

今回の記事ではエネルギーセクターの銘柄として、ENEOS(5020)・出光興産(5019)・INPEX(1605)を2017年〜2022年で比較しました。

今回の条件では、INPEX(1605)はキャピタルゲインもインカムゲインも比較した二社より利益が上がる結果となりました。

私のポートフォリオにも入れていきたいと思います。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

今回の記事が高配当株投資を目指している方の参考になれば幸いです。

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