【あの株を買っていたら・・・】 三菱ケミカル vs 信越化学工業

収入源を作る
この記事は約8分で読めます。

こんにちは、ヒデです。

高配当株投資を始めて5年目になりました。

少しずつ、知識や経験が増えてきて、

あの時、あの株を買っておけば・・・、と思うことがあります。

これまで、配当利回りと知名度だけで銘柄を選択してきた反省を込めて

投資を始めた2017年に【あの株を買っていたら・・・】投資結果はどうなっていたのか

シミュレーションしたいと思います。

この記事では個別企業名を記載しますが、特定の銘柄を推奨したり、将来の投資成果を保証するものではありません。

銘柄や投資時期などの決定については、ご自身で判断をお願いいたします。

三菱ケミカルグループ vs 信越化学工業

三菱ケミカルグループ株式会社(4188)

=事業概要=

三菱ケミカルをはじめ、グループを統括する持株会社。「機能商品」「素材」「ヘルスケア」の3つの分野と「機能商品」「ケミカルズ」「産業ガス」「ヘルスケア」の4つのセグメントで事業活動を行っている。

=業種:化学

=時価:1兆1944億円(2023年5月2日)

=会社ホームページ:https://www.mcgc.com

短期売買で利益を出せず、高配当株投資に興味を持った2019年から「配当利回りが5%以上ある高配当株」として魅力を感じて購入をしている銘柄です。

信越化学工業株式会社(4063)

=事業内容=

国内化学メーカーとして最大の時価総額および営業利益を誇る。「塩ビ・化成品事業」「半導体シリコン事業」「シリコーン事業」「電子・機能材料事業」「機能性化学品事業」の5つの事業セグメントを展開し、各分野の製品で世界的に高いシェアを有する。

=業種:化学

=時価:8兆863億円(2023年5月2日)

=会社ホームページ:https://www.shinetsu.co.jp/jp/

連続増配株や成長株という言葉を知ったことから気になるようになった銘柄で、2022年末に初めて単元未満株で購入しました。

三菱ケミカルグループと信越化学工業は、同じ業種「化学」に分類されています。

「あの頃、信越化学工業を購入したらどうなっていたんだろう・・・」

両社を比較しながら、投資の判断となる指標も学んでいきます。

投資結果

投資結果の比較は、両社の株を2017年の始値で100万円の予算で購入し、2022年の終値で売却した前提で計算をします。

売買に関する費用や税金は、計算を単純にするため無視します。

業績や配当などの情報は、「IR BANK」の情報を引用します。

2017年の始値では、三菱ケミカルグループは1317株(99万340円)、信越化学工業は545株(分割調整後、99万8222円)購入できることになります。

では、検証スタートです。

株価の推移

2017年始値〜2022年終値の株価を6年間の上昇率とすると

三菱ケミカルグループは、758.8円〜684.7円で上昇率は90.2%でマイナスでした。

信越化学工業は、(分割調整後)1831.6円〜3254円で上昇率は177.2%になりました。

配当金額と配当利回りの推移

2017年〜2022年の配当金額を6年間の増配率とすると

三菱ケミカルグループは、20円→30円で6年間の増配率は150%でした。

信越化学工業は、(分割調整後)24円→80円で6年間の増配率は333%になりました。

6年間投資の利益を比較

まず、株式の売買損益(キャピタルゲイン)を比較します。

三菱ケミカルグループの売買損益は、ー97,590円でマイナスになってしまいました。

信越化学工業の売買損益は、+770,303円となりました。

つづいて、受取配当金(インカムゲイン)を比較します。

三菱ケミカルグループの受取配当金は、234,426円でした。

信越化学工業の受取配当金は、114,970円になりました。

結論(投資損益=売買損益+受取配当金)

・三菱ケミカルグループ:136,836円の利益

・信越化学工業:915,273円の利益

2017年初から2022年末まで信越化学工業に100万円投資していたら、三菱ケミカルグループに100万円投資するより、778,437円利益が多く得られる結果になりました

連続増配株の効果について

配当金は、三菱ケミカルグループが信越化学工業の約2倍も受け取れる結果になりました。

しかし、受取配当金の推移を比較すると、連続増配をしている信越化学工業が2022年には三菱ケミカルグループの配当金額を追い越しています。

長期保有する場合は、成長性の高い企業や連続増配している企業を選べると心強いです。

株価や配当金の値上がりを予想するための指標

会社業績

三菱ケミカルグループ
年度営業収益営業利益営業利益率純利益ROEROA自己資本比率
2017年3.38兆2686億7.961563億14.323.5024.5%
2018年3.72兆3557億9.552118億16.474.5027.3%
2019年3.84兆2948億7.681695億12.303.0424.7%
2020年3.58兆1443億4.03541億4.621.0522.8%
2021年3.26兆475億1.46-75.6億赤字赤字23.4%
2022年3.98兆3032億7.621772億12.153.1826.2%
「IR BANK」データから著者作成

営業利益が2018年をピークに2021年まで下がり続けています。

営業利益も同様に下がり、2021年度は純利益がマイナスになりました。

配当金は2019年をピークに、2020年と2021年は2年連続の減配となっています。

自己資本比率が30%未満であり、会社の運営に不安がある水準になっています。

信越化学工業
年度売上営業利益営業利益率純利益ROEROA自己資本比率
2017年1.24兆2386億19.281759億8.25%6.62%80.3%
2018年1.44兆3368億23.372662億11.32%9.17%81.0%
2019年1.59兆4037億25.333091億12.54%10.17%81.1%
2020年1.54兆4060億26.313140億11.84%9.72%82.1%
2021年1.50兆3922億26.202937億10.44%8.69%83.2%
2022年2.07兆6763億32.605001億15.03%12.34%81.8%
「IR BANK」データから著者作成

営業利益は2021年を除き、毎年増益となっています。営業利益率も同様に向上しています。

純利益も営業利益と同様に2021年を除き増益となっています。

10%以上は優良企業とされる「自己資本利益率(ROE)」は2022年に15%になっています。

自己資本比率は80%以上を維持しており、非常に良好な状態と言えます。

配当・市場評価

三菱ケミカルグループ
年度配当金配当利回り配当性向PERPBR
2017年202.32%18.7%8.07倍1.14倍
2018年323.10%21.7%7.01倍1.15倍
2019年405.13%33.6%6.53倍0.80倍
2020年324.98%84.0%16.89倍0.78倍
2021年242.89%286.7%赤字0.95倍
2022年303.67%24.1%6.55倍0.80倍
「IR BANK」データから著者作成

三菱ケミカルグループは、2019年以降純利益の減少とともに配当性向が上昇して、2020年には80%を超える水準になりました。

株価の指標とされる、株価純資産倍率(PBR)は1倍以下となっており、成長性が市場から評価されていないことが示唆されています。

信越化学工業
年度配当金配当利回り配当性向PERPBR
2017年241.24%29.1%23.36倍1.93倍
2018年281.27%22.4%17.63倍2.00倍
2019年402.16%27.5%12.78倍1.57倍
2020年442.05%29.1%14.21倍1.68倍
2021年501.34%35.4%26.33倍2.75倍
2022年802.13%33.2%15.61倍2.35倍
「IR BANK」データから著者作成

信越化学工業は、毎年増配を続けていますが、株価も上昇しているため配当利回りは2%前後になっています。

配当利回りは2%前後ですが、増配効果で投資金額に対する利回りは4.36%になっています。

配当性向は30%台で余裕のある水準です。

まとめ

今回の記事では、【あの株を買っていたら・・・】をテーマに三菱ケミカルグループと信越化学工業を比較しました。

また、会社業績や配当・市場評価の指標から投資銘柄を選択する際のヒントをまとめました。

銘柄選定のヒントにしたい指標
  • 売上、営業利益、純利益・・・右肩上がりに増加していますか。利益が減少すると配当が減ることがあります。
  • ROE、ROA・・・株主資本や会社の資産を活用して利益を上げている指標で、ROEは10%以上、ROAは5%以上が優良とされています。
  • 自己資本比率・・・企業の資本調達に返済不要の自己資本が占める割合です。比率が大きいほど経営が安定し、倒産しにくい企業と言えます。30%以上が一つの目安、50%以上では良好な状態と言われています。
  • 配当利回り・・・株価が下がった影響で、配当利回りが高くなる場合があります。
  • 配当性向・・・無理な配当をしていないか確認をしましょう。配当性向が高い場合は利益が減少した際に配当が減らされる心配があります。
  • PER、PBR・・・どちらも株価の割安・割高感を示す指標で数値が小さければ割安という意味になります。PERの目安は15倍とされていて投資額を15年で回収できる目安になります。PBRの目安は1倍とされていて、1倍を下回っている企業はお買い得の可能性もありますが、潜在的なリスクを抱えている可能性もあるとされています。

銘柄選定のヒントにしたい指標(PDF)をダウンロードできます。

今回の記事では、「あの時、あの株を買っておけば・・・」をテーマに

保有銘柄である「三菱ケミカルグループ」と気になる銘柄「信越化学工業」の投資結果をシミュレーションしました。

高配当株投資に興味のある初心者の方、各種指標について比較してみたい方の参考になりましたでしょうか。

また、企業業績や市場評価の指標について参考になった方はPDFのチェックシートもご活用ください。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました