こんにちは、ヒデです。
高配当株投資を始めて5年目になりました。
少しずつ、知識や経験が増えてきて、
あの時、あの株を買っておけば・・・、と思うことがあります。
これまで、配当利回りと知名度だけで銘柄を選択してきた反省を込めて
投資を始めた2017年に【あの株を買っていたら・・・】投資結果はどうなっていたのか
シミュレーションしたいと思います。
この記事では個別企業名を記載しますが、特定の銘柄を推奨したり、将来の投資成果を保証するものではありません。
銘柄や投資時期などの決定については、ご自身で判断をお願いいたします。
三菱ケミカルグループ vs 信越化学工業
短期売買で利益を出せず、高配当株投資に興味を持った2019年から「配当利回りが5%以上ある高配当株」として魅力を感じて購入をしている銘柄です。
連続増配株や成長株という言葉を知ったことから気になるようになった銘柄で、2022年末に初めて単元未満株で購入しました。
三菱ケミカルグループと信越化学工業は、同じ業種「化学」に分類されています。
「あの頃、信越化学工業を購入したらどうなっていたんだろう・・・」
両社を比較しながら、投資の判断となる指標も学んでいきます。
投資結果
投資結果の比較は、両社の株を2017年の始値で100万円の予算で購入し、2022年の終値で売却した前提で計算をします。
売買に関する費用や税金は、計算を単純にするため無視します。
業績や配当などの情報は、「IR BANK」の情報を引用します。
2017年の始値では、三菱ケミカルグループは1317株(99万340円)、信越化学工業は545株(分割調整後、99万8222円)購入できることになります。
では、検証スタートです。
株価の推移
2017年始値〜2022年終値の株価を6年間の上昇率とすると
三菱ケミカルグループは、758.8円〜684.7円で上昇率は90.2%でマイナスでした。
信越化学工業は、(分割調整後)1831.6円〜3254円で上昇率は177.2%になりました。
配当金額と配当利回りの推移
2017年〜2022年の配当金額を6年間の増配率とすると
三菱ケミカルグループは、20円→30円で6年間の増配率は150%でした。
信越化学工業は、(分割調整後)24円→80円で6年間の増配率は333%になりました。
6年間投資の利益を比較
まず、株式の売買損益(キャピタルゲイン)を比較します。
三菱ケミカルグループの売買損益は、ー97,590円でマイナスになってしまいました。
信越化学工業の売買損益は、+770,303円となりました。
つづいて、受取配当金(インカムゲイン)を比較します。
三菱ケミカルグループの受取配当金は、234,426円でした。
信越化学工業の受取配当金は、114,970円になりました。
結論(投資損益=売買損益+受取配当金)
・三菱ケミカルグループ:136,836円の利益
・信越化学工業:915,273円の利益
2017年初から2022年末まで信越化学工業に100万円投資していたら、三菱ケミカルグループに100万円投資するより、778,437円利益が多く得られる結果になりました。
連続増配株の効果について
配当金は、三菱ケミカルグループが信越化学工業の約2倍も受け取れる結果になりました。
しかし、受取配当金の推移を比較すると、連続増配をしている信越化学工業が2022年には三菱ケミカルグループの配当金額を追い越しています。
長期保有する場合は、成長性の高い企業や連続増配している企業を選べると心強いです。
株価や配当金の値上がりを予想するための指標
会社業績
三菱ケミカルグループ | |||||||
年度 | 営業収益 | 営業利益 | 営業利益率 | 純利益 | ROE | ROA | 自己資本比率 |
2017年 | 3.38兆 | 2686億 | 7.96 | 1563億 | 14.32 | 3.50 | 24.5% |
2018年 | 3.72兆 | 3557億 | 9.55 | 2118億 | 16.47 | 4.50 | 27.3% |
2019年 | 3.84兆 | 2948億 | 7.68 | 1695億 | 12.30 | 3.04 | 24.7% |
2020年 | 3.58兆 | 1443億 | 4.03 | 541億 | 4.62 | 1.05 | 22.8% |
2021年 | 3.26兆 | 475億 | 1.46 | -75.6億 | 赤字 | 赤字 | 23.4% |
2022年 | 3.98兆 | 3032億 | 7.62 | 1772億 | 12.15 | 3.18 | 26.2% |
営業利益が2018年をピークに2021年まで下がり続けています。
営業利益も同様に下がり、2021年度は純利益がマイナスになりました。
配当金は2019年をピークに、2020年と2021年は2年連続の減配となっています。
自己資本比率が30%未満であり、会社の運営に不安がある水準になっています。
信越化学工業 | |||||||
年度 | 売上 | 営業利益 | 営業利益率 | 純利益 | ROE | ROA | 自己資本比率 |
2017年 | 1.24兆 | 2386億 | 19.28 | 1759億 | 8.25% | 6.62% | 80.3% |
2018年 | 1.44兆 | 3368億 | 23.37 | 2662億 | 11.32% | 9.17% | 81.0% |
2019年 | 1.59兆 | 4037億 | 25.33 | 3091億 | 12.54% | 10.17% | 81.1% |
2020年 | 1.54兆 | 4060億 | 26.31 | 3140億 | 11.84% | 9.72% | 82.1% |
2021年 | 1.50兆 | 3922億 | 26.20 | 2937億 | 10.44% | 8.69% | 83.2% |
2022年 | 2.07兆 | 6763億 | 32.60 | 5001億 | 15.03% | 12.34% | 81.8% |
営業利益は2021年を除き、毎年増益となっています。営業利益率も同様に向上しています。
純利益も営業利益と同様に2021年を除き増益となっています。
10%以上は優良企業とされる「自己資本利益率(ROE)」は2022年に15%になっています。
自己資本比率は80%以上を維持しており、非常に良好な状態と言えます。
配当・市場評価
三菱ケミカルグループ | |||||
年度 | 配当金 | 配当利回り | 配当性向 | PER | PBR |
2017年 | 20 | 2.32% | 18.7% | 8.07倍 | 1.14倍 |
2018年 | 32 | 3.10% | 21.7% | 7.01倍 | 1.15倍 |
2019年 | 40 | 5.13% | 33.6% | 6.53倍 | 0.80倍 |
2020年 | 32 | 4.98% | 84.0% | 16.89倍 | 0.78倍 |
2021年 | 24 | 2.89% | 286.7% | 赤字 | 0.95倍 |
2022年 | 30 | 3.67% | 24.1% | 6.55倍 | 0.80倍 |
三菱ケミカルグループは、2019年以降純利益の減少とともに配当性向が上昇して、2020年には80%を超える水準になりました。
株価の指標とされる、株価純資産倍率(PBR)は1倍以下となっており、成長性が市場から評価されていないことが示唆されています。
信越化学工業 | |||||
年度 | 配当金 | 配当利回り | 配当性向 | PER | PBR |
2017年 | 24 | 1.24% | 29.1% | 23.36倍 | 1.93倍 |
2018年 | 28 | 1.27% | 22.4% | 17.63倍 | 2.00倍 |
2019年 | 40 | 2.16% | 27.5% | 12.78倍 | 1.57倍 |
2020年 | 44 | 2.05% | 29.1% | 14.21倍 | 1.68倍 |
2021年 | 50 | 1.34% | 35.4% | 26.33倍 | 2.75倍 |
2022年 | 80 | 2.13% | 33.2% | 15.61倍 | 2.35倍 |
信越化学工業は、毎年増配を続けていますが、株価も上昇しているため配当利回りは2%前後になっています。
配当利回りは2%前後ですが、増配効果で投資金額に対する利回りは4.36%になっています。
配当性向は30%台で余裕のある水準です。
まとめ
今回の記事では、【あの株を買っていたら・・・】をテーマに三菱ケミカルグループと信越化学工業を比較しました。
また、会社業績や配当・市場評価の指標から投資銘柄を選択する際のヒントをまとめました。
銘柄選定のヒントにしたい指標(PDF)をダウンロードできます。
今回の記事では、「あの時、あの株を買っておけば・・・」をテーマに
保有銘柄である「三菱ケミカルグループ」と気になる銘柄「信越化学工業」の投資結果をシミュレーションしました。
高配当株投資に興味のある初心者の方、各種指標について比較してみたい方の参考になりましたでしょうか。
また、企業業績や市場評価の指標について参考になった方はPDFのチェックシートもご活用ください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。